寄せ壁工法の京町家
平成30年
新築工事施工中
昔の京都は家の幅で税金を取られたために、敷地の奥までいっぱいに家を建てたと思われます。
そんな経緯もあり、寄せ壁工法は京町家に限らず多くあります。
今回も少しでも間口を広くとるため、両隣に対して壁をぎりぎりに寄せるために、寄せ壁工法を採用することにしました。
寄せ壁工法の風景
この地域は準防地域ということもありますが、その中でも景観を考え外観に京都らしさを出すために木板と漆喰(これは土壁を使用することで解決)、玄関扉も木製にしております。延焼ラインをクリアするために袖壁で処理をして対応できるようにしました。
屋根木下地を出すために幹天井板は贅沢に厚み30mmとするなどして法的なクリア処理をすることに大変苦慮しました。
昔の寄せ壁は土壁を塗った状態で行われていたが、現在では準防地域でもあり、基準に合わせてサイディングまたは鉄板壁の仕上げにしないといけないため今回は後々のメンテが少なくて済む鉄板としました。
土壁及び外壁鉄板貼りの片壁は約40㎡で重さ約2.4tありました。さらに土台梁も両壁を広げてからと、普段とは手順を変えて施工する必要があるため、工夫が必要な難しい作業となりましたが、思ったとおりの施工が出来、職人の皆さんの力による力作となりました。
完成